京都の仏壇仏具は、昔から伝統的に、各宗派の法式に合った物を製造しております。
これは歴史が古く、各宗派の本山が多い為です。
家庭用・寺院用を問わず、京都では仏事に関するほとんど全ての物を製作・販売しております。国の伝統的工芸品産業に指定された京仏壇・京仏具の製造の起源は、平安仏教を特色づけた最澄、空海の時代からであろうと推定されております。
そして、仏師定朝の「七条仏所」創設(11世紀初頭)によって、本格的な仏具製造の基礎を固めたものであると考えられます。
また「新猿楽記」には、当時の七条は鋳物師、鍛冶、金銀細工師などの集住地であったと記されており、金属仏具との関連性を見出すことができます。
これらの仏像や仏具は寺院用でしたが、江戸初期の宗門改め制度によって各家庭に普及し、その需要・販売が増大したものであります。
この様な起源をもつ京仏壇・京仏具はそれぞれの製造過程が分業で細分化されつつも固く結ばれ、総合工芸として今日まで発展を続けてきたのであります。