朝日新聞 朝刊2014.06.10
▲ 画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。朝日新聞に掲載されました。
▼以下記事抜粋
穏やかなお顔の弥勒菩薩、恐ろしげな明王、弁天さまに観音さま、仁王さまー。大小の仏さまが、ずらりと並んでいた。木彫りの肌からは、すがすがしい香りさえ漂ってくるようだ。
仏像は仏具を手がける職人を仏師という。この春、15代吉田源之丞さんら現代の京仏師の作品を福岡市内でまとめて見る機会があった。「京都は伝統工芸の町。私もすべてホンマモン見て育ってますから。私の先祖も九州のお寺に納めています」。会場を訪ねると、吉田さんはそう説明してくれた。
京仏師といえば、その源は平安時代後期の和様の完成者、定朝に行き着く。京で栄えた円派や院派、奈良仏師、また、かの運慶や快慶を生み、鎌倉幕府から重用された慶派も、もとをたどれば京の仏師だ。
吉田さんも、信長に焼き打ちされた比叡山の復興に寄与した家柄。その工房は昔ながらの分業体制で、彫り、漆、金箔押し、彩色など、それぞれのエキスパートの職人が制作工程を担う。それが高いレベルを支えている、という。
そういえば、佐賀県有田焼の柿右衛門や今右衛門といった伝統窯も、やはり分業体制。仏師の世界も、高度な完成度を保証する熟練の技は、産業として歴史のなかで磨き上げられた無駄のない生産手法と表裏一体なのか、と思う。
吉田さんは昨年、かつて失われた平泉中尊寺本堂(岩手)の釈迦如来の丈六仏を今によみがえらせた。工房をフル稼働させ、全力で制作にあたった。「一生に何回あるかという仕事ですからね」。京仏師の自負と誇りが見えた。
RKB毎日放送
エルガーラホールでの展示会の様子がRKB毎日放送で紹介されました。
朝日新聞 朝刊2014.03.13
▲ 画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。大宰府の九州国立博物館で、大仏師の第15代吉田源之丞さんをはじめとする京仏師の作品を集めた「京仏師 伝承の世界」が開かれている。
慈悲深さをたたえた菩薩像や筋骨隆々とした仁王像など、約100の作品が展示されている。
仏像や仏具をつくる人を仏師と呼ぶ。
奈良の東大寺南大門の仁王像・金剛力士像の阿形像、吽形像をつくったとされる運慶、快慶が有名だ。
大仏師は仏師の中でも最高の称号。
吉田さんは、世界遺産の中尊寺(岩手県)の本堂・本尊の製作総指揮をし、一昨年納めたことなどで知られる。
最前列に展示されている聖観世音菩薩は「癒される顔、しなやかな全体像、流麗な羽衣など、吉田源之丞ならではの表現」と説明され、横には立体曼荼羅が並ぶ。四天王像や毘沙門天像もある。
記事抜粋 ※この記事写真は、朝日新聞社の許諾を得て転載しています。
同じく大仏師の坪田最有さんの作品は阿形吽形の仁王像など。
仏師桜井覚山さんや仏師で兄の桜井綜夕さんの作品、明治時代初期の釈迦如来像(第12代吉田源之丞作)も並ぶ。
展示の担当者は「仏像には日本の伝統と歴史が息づいている」と話す。
九州国立博物館での展示は14日まで。
28〜31日は福岡市中央区・天神のエルガーラホールで開かれ、吉田さんらが4日間、来場するほか、製作実演もある。いずれも入場無料。
平泉FAN
887年前、藤原清衡が中尊寺建立供養願文を読み上げたとされる3月24日、中尊寺の本堂で新本尊・丈六釈迦如来坐像の開眼法要が営まれました。
この法要は天台座主の名代が導師を勤め、250名ほどが出席。
施工主として当店が紹介され、15代目吉田源之丞が取材を受けました。
※この動画は、平泉情報発信サイト【平泉FAN】の許諾を得て転載しています。
岩手日報 朝刊2011.06.28
▲ 画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。特集「供養願文の仏」記事にて、当店が掲載されました。
世界文化遺産に登録された平泉町中尊寺の新本尊・釈迦如来坐像の製作記事で、中尊寺様より当店が請け負ったものです。
仏師・坪田氏が仕上げた新本尊は今後、塗師が作業を引き継ぎ漆を繰り返し塗り、金箔を張る作業に入ります。
▼以下記事抜粋
中尊寺から新本尊造立を請け負ったのが400年以上続いている京都の仏具商・吉田源之丞老舗。
創業は1572(元亀3)年で当主の名前は世襲、現当主の吉田源之丞さん(58)は15代目だ。
※この記事写真は、岩手日報社の許諾を得て転載しています。
坪田最有さんが削った新本尊は塗師が作業を引き継ぎ、漆を繰り返し塗り金箔を張る。新本尊は坪田さんの専用工房から別の広い場所に移され、胴体や頭部、下半身などに分けて塗りの作業が進められる。坪田さんは引き続き台座や光背を制作する。
吉田さんによると、漆の工程は7月ごろから始まる。最低でも5、6回は重ねる。仏像を長く保つために欠かせない工程の期間は、約1年間を見込む。
国産漆は量が少なく、新本尊には中国産などと浄法寺産を混ぜて使う。浄法寺の漆は乾かす と堅く、きちっと仕上がるのが特徴という。
金箔を覆う作業は来年夏から開始。3ヶ月程度かかり、10月ごろに終了する予定だ。
吉田さんは老舗のネットワークで新本尊の材料である質のいい木曽産ヒノキを調達。頭部にある肉髻珠に用いる大きな水晶も確保した。「いいかげんなものは使えない」と語る。新本尊には老舗のこだわりも注ぎ込まれている。