葬式・法事、お墓参りの時などに使う、仏教徒にとってもっとも身近な仏具です。「仏様を念ずる時に用いる珠」との意味から念珠とも呼ばれております。本来はお念仏や読経の際に読む回数を数える為の物ですが、これを持って仏様に合掌する事で煩悩を払い、功徳を得られるといわれています。
地域によって異なりますが、京都では昔から、婚礼の際の嫁入り道具としても用いられてきました。
諸説ありますが、釈尊の時代には使われていたようです。
仏教の伝来と同じ時代に日本に伝わりましたが、当時は金・銀・水晶などで作られており、大変貴重な物として僧侶の間でもごく一部でしか使用されていなかったとされます。
日本で数珠が仏具として一般に普及したのは、鎌倉時代以降のことです。
仏様を礼拝する時、お念仏を唱える時、故人を偲び供養する時などのお参り時に手にかけて使います。
合掌する時は、長い念珠は両手の親指に掛け房をたらして合掌します。短い念珠は、両手を合わせ数珠をかけ合掌します。
お焼香の時は、長い念珠はひとひねりして2連にし、左手にもって右手で焼香します。短い念珠は、左手にかけ右手で焼香します。
木や木の実、石、象牙、琥珀、真珠など色々な材料がありますが、宗派による違いはありません。
房の形には、梵天房、頭付房、紐房などがあります。
地域によって様々ですが、房の形や色による宗派の違いはほとんどありません。
正絹と人絹があり、正絹は本絹とも呼ばれる混じり物のない絹です。人絹は人造絹糸の略で、人造の絹です。
宗派によってつなぎ方・形が異なりますが、どの宗派でも使用できる略式の数珠もあります。
珠の大きさや房のお色によって男性用と女性用に分けられ、男性用は大きめの珠で茶系色の房、女性用は小さめの珠で白・紺・赤色等の房を使うのが一般的です。
外出の際にかばんに入れる時は、房や珠が痛まない様、直に入れずに念珠袋に入れて携帯します。
使用後は、柔らかい布などで軽く汚れをふき取り数珠袋や桐箱等に大切に仕舞いましょう。菩提樹など、虫害に弱い珠は防虫剤などを入れておくと安心です。
女性用に多い真珠や珊瑚などの珠も、傷つきやすい素材の為、扱いには特に気をつけましょう。
宗派によっても異なりますが、正式には108個の珠から成ります。
これは除夜の鐘と同じ様に、108の煩悩を祓う功徳があるからだといわれています。
現在では片手数珠といって、略式の数珠が一般的になってきました。こちらはどの宗派でもお使いいただけ、珠の数・種類や房の形も様々です。
仏様と心を通い合わせる法具というだけでなく、持っているだけで功徳があるとされております。
最近では腕輪念珠といって、小型化し中糸をシリコンゴムなどにして腕に着けられるようにした数珠が作られる様になりました。こちらは本来の用途に用いるのではなく、常に携行できるお守りとして手首につける数珠です。特に男女の区別はございません。
繋いでいる紐や房は繊細な為、長くお使いいただくうちに、どうしても中糸が擦り切れることがあります。これは悪因縁が切れたことの表れともいわれ、決して縁起が悪いわけではありません。
お数珠は何度でも修理してお使いいただけます。
もし切れてしまった時は袋に入れるなど珠を失くさないようにして、店頭へお持ち込みください。
珠やつなぎ方の種類によって異なりますが、約2,000円〜5,000円程で修理お受けいたします。
その際房の色なども変える事が出来ますので、お気軽にご相談ください。
京都の職人がつないだお念珠を通販サイトにて扱っております。
こちらで掲載させていただくのは店頭で扱っている商品のごく一部です。
他にも一点物、宗派によって異なる本式の物など色々とありますので、是非店頭でもご覧ください。